水堂の境内の中で中心となるお堂です。
宝永4年(西暦1707年)に建立されました。屋根は葦葺き(よしぶき)で、戸は昔ながらの鎧戸(※1)です。
出水法要(※2)中に、参拝された信徒の方々が、各家のご先祖様の回向をされます。また、受付にて塔婆(※3)供養や経木塔婆を申し込まれ、霊水堂へお供えされます。
※1.鎧戸(よろいど)細長い薄い板を、透き間ができるように何枚も斜めに並べてとりつけた戸。日光の直射を防ぎ通風をよくする。
※2.出水法要(でみずほうよう)毎年旧暦4月15日(寅の刻:午前4時)から7月15日(未の刻:午後2時)の夏安居(げあんご)の時期です。
※3.塔婆(とうば)・仏舎利を安置し、供養するために建てる塔。・死者を弔うために墓のうしろに立てる、塔の形をかたどった薄くて細長い板。板塔婆イタトウバ。=卒塔婆ソトウバ。
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このお堂は戦前まで佐賀市内の谷口鉄工所の菩提所(仏壇)としてお参りされていました。戦後維持管理が難しくなり、水堂へ寄進されました。彫刻は寺院のお堂とは違い、細かい細工が施されています。すべて、台湾檜の木材を使用されています。
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本尊は聖観世音菩薩です。観世音菩薩を中心に左右に三体づつ、六地蔵が安置されています。
観世音菩薩の下より、霊水が出ます。この霊水を求めて期間中は佐賀・長崎・福岡より信者の方々がお参りされます。期間中3万人から4万人の方が来られます。六地蔵(※1)の前に新しい仏様の戒名や先祖代々を塔婆に書き、お供えされます。
霊水は持ち帰って仏壇にお供えしたり、薬を飲むときやごはんの中に入れたりして、無病息災を祈ります。この霊水は何年過ぎても腐らないといわれています。
※1.衆生シユジヨウがこの世で行ったそれぞれの行為のむくいとして、死後住まなければならない六つの世界。地獄・餓鬼ガキ・畜生・修羅シユラ・人間・天上の 六つの世界お地蔵様
水堂安福寺の中心となる本堂です。昔は念仏堂と呼ばれていました。昭和33年の建立です